こんにちは、イギリスの文学部卒&元翻訳者です。
この記事は、
- 洋書で英語の読解力アップしたい
- 好きな洋書を読みながら、単語力アップしたい
- お気に入りの洋書の原文を読めるようになりたい
主にそんな人の為に書いています。
英語の本を読む習慣というのは英語力アップだけでなく、将来の情報収集力にも繋がりますので、おすすめの勉強法です。
英文小説について【洋書といっても色々ある】
非ネイティブにとってはしばしば難解である、英文小説。これを読むことに慣れると、英語力は爆伸びします。
なぜかというと、理由は2つ。
英語の読解力は文脈を読み取るスキルがかなり要ると思うのですが、
書かれている言語に関わらず、小説は読むと(1)文脈を読み取るスキルが磨かれますよね。
文脈を読み取るスキルはどのジャンルでも、はたまた語学習得全般において重要な役割を担っています。
翻訳をする上でも、背景の文脈を考慮せずに良い翻訳文を作る事はできません。
それを考えると、小説を読む力っていうのは翻訳力を磨く事にも繋がっているのかな、と思います。
そして、(2)英語圏の文化を無理やりにでも理解するスキル。
なぜ私たちにとって英文小説が難解か?それは言語の問題だけではなく、文学とは文化でもあるからです。その言語で書かれる地域の文化を知らずに、デリケートな内容を読み解く事はできません。難しい言葉が使われていない英文の話をきちんと読むことができても、どこか臨場感に掛けると感じる事はありませんか?それは、元々自分の持っている文化的感覚が違うからかもしれませんね。
これは、その本が掛かれた時代や文化的背景を知ることで乗り越えられます。
つまり逆を言うと、小説を読むことで、その舞台となる国の歴史や文化的背景まで学ぶ事ができるのです。簡単な事ではありませんね。
もちろん、英語のネイティブスピーカーであっても、読書が苦手っていう人はいる訳で。
小説を読む事はあくまで、楽しく英語力を爆上げする趣味です。
趣味ですから、苦手と思う人には向きません。他の分野から入りましょう。
ビジネス英語習得が目的の人も、もし読書が好きな方は、趣味として英語が原文の小説を読んでみるとそれが間接的にビジネス英語習得を容易にすると思うので、おすすめ。
ですが!
もちろん、読書が苦痛でしかない場合は英文フィクション小説の類はあまりおすすめしません。
むしろフィクションは普段実際に使われないような英語のオンパレードなので、
「自分は英語のセンスがない」と勘違いして無駄に自信を無くす羽目になります。
SFとかファンタジーとか特に難しいです。。
(ハリーポッターが難しくて読めなくても、落胆しないでください。現実世界はマグルも魔法使いもないのでわけわからなくなるのは当たり前)
また、「行間を読む」系文学に興味がない人は、ニュースやノンフィクション類など、別ジャンル本からの英語の勉強で全く問題ありません。むしろそっちの方が近道です。
まとめると
- 英文小説は読めるようになると楽しいし結果的に英語力爆伸びする
- 実用英語で書かれていないので、読書(文学)好きじゃないなら遠回りになる。別ジャンルの本をおすすめ
小説以外のおすすめジャンル
では、別ジャンルの本(本に限らず別媒体も)ってどんなものがあるんでしょうか?
思いついたものを挙げてみます。
- ニュース(コラムとか)
- 雑誌
- ゲーム
- 漫画(コミック)
- レシピ本
- 自分の好きなジャンルの書籍(美容本とかペット本とか)
ゲームを英語版に切り替えてやる
ゲームは特におすすめなんですけど、例えばボンバーマンみたいなやつじゃなく、
ストーリーのあるRPGなどを選びましょう。
最初はオフラインのゲームがおすすめ。
ストーリーを読む必要があるゲームをやる事で、自然と読解力もついていきます。
これからお伝えする下線を引く読み方は、ゲームだとできないと思うんですが、それでもコマンドだけ辞書を引いておいてプレイすれば同じようなものです。
RPGなんてストーリーが勝手に進行されていくので好都合だと思います。
そう、ここでのポイントは、行き詰まる前に読み進めてしまうこと。悩むのはそれからだって事。
それができれば、どんな媒体でも構いません。
オンラインゲームは英語のコミュニケーション力付けるのには最適なツールですが、読解力とはあまり関係ないので、ここではおすすめしません。
得意な分野が強い
そしてやはり、自分が得意な分野のものを英語に切り替えて読んでみるっていうやり方が一番効果的だと感じます。その方が、断然無理やりやってる感が無いからです。
例えば料理好きの人の場合、英語の料理本など買ってみてはいかがでしょう。
きっと日本語の料理本は読んだことがあると思うので、料理本独特の手順の文体とかには既に慣れていると思います。内容に慣れていると、英語になっていても何となくわかるってもんです。
そのちょっとわかるかも?っていう感じが、モチベーションを保つ上で大切なのです。
そしてその国本場のレシピも学べるんだったら、一石二鳥ですね。
好きな海外ブランドの車?時計?や洋画などについての解説本を英語で買って読んでみるのもおすすめです。好きなものが入ってる本っていうのは、やっぱり開いて読みたくなるものですから。
英小説の読み方
では、洋書(英文小説の場合)に話を戻します。
英文を読むのが遅かった私にとっての殺人的読書量を毎週こなす、という経緯を大学で経て、
英文小説を結構早く読めるようになりました。(それでもネイティブに比べたら断然遅い)
その私が大学1年生の時に始めて、ずっとやり続けた、英小説を読みながら英語力を上げる読書の仕方を紹介します。
知らない単語に下線をつけながら読む
まず、本を読むにあたって、
- 知らない単語に下線をつけながら読む
という癖をつけます。
ここで、辞書を引きながら読み進める癖は捨ててください。辞書を引かないでください。
下線をつけながら、です。
鉛筆とかシャーペンとかで、とにかく下線を引きまくりましょう。
下線だらけになってしまっても大丈夫です。それは普通です。
辞書を引かずに、下線だけを引きながら読み進めます。
こうすることで、文脈が頭の中から途切れずに、読み進める事ができます。細かいところの理解は二の次でOK。
ガガガ―っと線を引けるところが、アナログ紙の本の良いところですね。(Kindleの良いところも募集中。)
そして・・・
- 1チャプター読み終わったら、戻って単語の意味を調べる
これは、1チャプターである必要は無いのですが。大体5ページずつとか、自分でルールを決めます。
きっかり何ページと決めないで、内容的に区切りの良いところで切った方が良いです。
読んでいる時はわからないから引いた単語の下線ですが、ここまで読んでみると勝手に文脈から予想がついてわかるようになった単語も出てきてるかもしれないので、そういう単語の場合は答え合わせのようになります。
これで、文脈に当てはめながら単語の意味を予想する+後から調べることによって頭の中で内容が合点するので、人が自然に単語を覚えるプロセスと同じになり記憶の定着度も上がります。
まとめると
- わからない単語に、辞書は引かず、鉛筆で下線を付けながら1チャプター読む
- 戻って下線の単語の意味を調べる(=予想した意味の答え合わせ)
莫大な量を最速で読まなきゃならない場合は?
・・・しかし上記のやり方、 一回戻ってまた単語を調べなおすというプロセスのせいでめっちゃ読むのに時間掛かるんです。(汗)
英語力を上げることに集中して、しかも丁寧に読みたいっていう場合には凄くお勧めできるんですが、私がそうだったように、速く沢山読まなきゃいけない場合には向きません。
そういう場合にどうしていたかと言うと、
「わからない単語は基本調べない」
です。
だって、わからない単語全部に下線を引いていたら、時間があるなら良いですけど、後から莫大な量の単語を調べることになります。
それじゃ間に合わない。って場面もあるかもしれません(海外で大学に通ってる方とか。)
私の場合はどうしていたのかというと。
サラーっと読んで、わからない単語は飛ばしてしまいます。話の中で大切な単語は、調べなくても後から大体文脈で何だったのかわかってくることが多いからです。
でもやっぱりその中でも、さっきのやり方で調べた方が良い単語っていうのはあるので、そのお話もしようと思います。
調べた方が良い単語
単語飛ばし読みをする中でも、結局調べなければいけない単語は、私の経験上次の2つ:
- 繰り返し出て来る単語
- 登場人物の会話上の単語
です。
繰り返し出て来る単語は、何回か出てきた時点でどういう意味なのか予想が付けば良いんですが、付かなかった場合、もう気になってしょうがなくなってくるので結局調べるしかなくなると思います。
会話上の単語がなぜ大切かというと、会話って文脈がないところで唐突に始まることが多いですよね。
ナラティブ(話の語り口)って読み手のために書かれているので文脈がしっかりしていますが、登場人物がいる場合、出て来る会話がそうとは限りません。登場人物は、読み手がいる事を意識していません。
例文
例えとして、ナンシーという女性がカフェから登場するシーンを作ってみました。
英文:
… All of a sudden, someone cut the rhythm of raindrops. The relentless white noise lowered its volume.
“He said the rendezvous was at 7, not 5.”
It was Nancy who stepped out of the door with a curious look on her face.
訳:
突然、誰かが雨音のリズムを遮った。絶え間ないホワイトノイズが、そのボリュームを下げた。
「あの人は、ランデヴーは7時と言ったのよ。5時じゃなくて」
興味津々といった表情を浮かべたナンシーは、ドアから一歩出るとそう言った。
解説
例えばrelentless(絶え間ない、容赦ない)という単語がわからなかったとします。
以前の語り口から雨が降り続いてる様子はもうわかっているので、それ関係だなという事は安易に予想できます。解釈に自信がなくても、読み進めるにあたって実際何も問題ありません。
そしてナンシーのセリフですが、rendezvous (ランデヴー、待ち合わせ)という単語がわからなかったとします。
ナンシーはここで初めて登場した設定なので、彼女が何を言ってるのか前の文脈からはわかりません。rendezvousが待ち合わせだとわかっていればもちろん、話しかけている相手が早く来すぎた場面なんだなという事がわかりますが、それが待ち合わせでなく、例えばカフェの開店時間だと解釈してしまった場合。
後から話の辻褄が合わなくなって、混乱してしまいます。
少し短すぎる例文で恐縮ですが、こんな感じで、会話って突然出てきますよね。
そして読み手は、会話の内容によってストーリーの方向性をも理解します。
ナラティブは言ってしまえば、場面に臨場感を出す為の修飾だらけなので、理解してなくてもとりあえず話は進められる場合が多い。
さっきも触れましたが、なぜナラティブにちゃんとした文脈があるのかというと、それが読み手に読んでもらうというだけの目的で書かれているからです。対して会話は、場面の中で”発生”するものです。
必ずしもナラティブから会話中の文脈が拾える訳ではありませんし、むしろ会話がプロット(物語の筋)を主導している事が多いです。
したがって、会話は物語の筋を理解する為に外せない、重要な部分であり、ここで出て来る単語を重点的に理解する必要があると言えます。
文脈解釈に自信が無い人は?
速く読みたいけど全体の文脈を把握できる自信が無い人は、いつでも戻って調べられるようにわからない単語に軽く印をつけながら読んでいくと良いと思います(さっきみたいに下線で良し)。
後から必要ないと思ったら、そのまま無視して読み進めれば良いだけです。
また、登場人物が多い小説の場合は、付箋に登場人物の名前と簡単な特徴を書いて挟んでおくと便利です。
おまけ:イギリスの大学あるある
せっかくなので、おまけでイギリスの大学の懐かしい話をちょっと。。
教科書が無い
これは文学部にしか当てはまらないのですが、、というかもしかして日本の文学部でも同じなのかもわからないんですが。
教科書が無い
講義が無い(正確には、ちょっとはある)
うげーーーーー(;´Д`)
セミナーのみですよ。2時間、議論とかで発言しなきゃいけないやつ。
ただでさえ本の内容が難しくて苦戦してるのに、それに追い打ちを掛けるような発言しなきゃいけないという仕打ち
どうやら、イギリスの文学部では教授が教えるっていう感じではなく、生徒がディスカッションして視野を広げる、教授はそれをリードするだけという模様でした
教科書も講義も特にないから予習とかもしにくく、ディスカッションに追いつけるよう必死に関連本を読みまくる(+もちろん議題の詩とか小説も)
涙目の3年間。。。
でも良く考えたら、ヨーロッパの昔の大学とかってそういうスタイルでしたよね?
考えようによっては、大変貴重な経験でした。
図書館の本が下線だらけ
これ、本当に下線だらけどころか、書き込みだらけなんですよおー図書館の本が!!!
最初はびっくりしました!
でも、みんな普通にやるみたいですし、そういうの禁止されてる訳でもないみたいです。
慣れたら、「読み込まれてる本だな。良い本なのかな」と思えるようになったので良いのですが。
良いところに線が引いてあって時々それが参考になる時もありました。
でも、線が引かれすぎて読みにくいことも多々ありました。(汗)
おわりに
趣味で英文を読みたい人も、勉強にすでに取り入れている人も、参考になりましたら幸いです。
私の時代はKindleなど使っている学生はあまりいなかったのですが、今はもしかして使っている人多いかな?(私も今はKindle使ってます)
そしたら、本に線を引きまくるアナログなやり方はできないのかな。
KindleならKindleなりの、やり方があるんでしょう。これから、それも試していってみたいと思います。
とにかく勉強法は結局は、自分に合ったやり方が一番。
他人のやり方の、参考になるところだけをどんどん取り入れると良いと思います!
もし英語の勉強法で困ったことがあったら、お気軽に相談してくださいね♪
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